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勤務間インターバル制度

 この制度は、「勤務の終業時刻から翌日の始業時間までの間、一定以上のインターバル(休息時間)を設ける」ことを企業内の勤務時間管理の仕組みとして定めて運用することで、従業員の日々の生活時間や睡眠時間の確保をはかるもので、わが国では、2019(令和元)年4月から法律上の努力義務とされています。

 また、昨年9月に改正された「脳・心臓疾患の労災認定基準」において、労働時間(発症前1か月間に100時間といった長時間労働)と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化されましたが、その中で、「勤務間インターバルが短い勤務」が労働時間以外の負荷要因の一つと位置付けられました。

     

【インターバル(休息時間)の長さ】

 この制度で確保するインターバル(休息時間)の長さについて、法令での具体的な定めはありません。
 公的な調査によると令和3年1月時点での、1企業平均間隔時間(休息時間)は、おおよそ11時間で、企業規模ごとのデータでも、最短9時間55分、最長が11時間11分です。
(令和3年度就労条件総合調査(厚生労働省))

 実務上は、企業の部門ごとの業務内容とその進め方、顧客との関係などを把握した上で、9時間から12時間の間で、①企業内統一の休息時間を設定、もしくは②部門ごとの実態に合わせて複数の休憩時間を設定して運用のいずれかになると考えられます。
   

【インターバル(休息時間)が翌日の始業以降に及ぶ場合】

 深夜まで時間外勤務を行った後に休息時間を取った場合、その時間帯が翌日の始業時間を超えて所定労働の時間帯に及ぶことが起こり得ます。

 そのような場合の対応方法は、2つありますが、ここでは、分かりやすくするため、

 所定労働が9時~18時までの8時間(休憩時間1時間)、勤務間インターバル(休息時間)が10時間の企業において、24時まで時間外・深夜勤務を行い、「休息時間の終了時刻 = 翌日の始業時間」が翌日の10時となる事例で説明します。

インターバル時間と翌日の所定労働時間が重複する部分を働いたものとみなす方法
 この事例では、翌日の10時勤務開始で所定労働時間働いた場合の勤務終了時刻(終業時刻)が19時となるところを、本来の終業時間である18時で勤務終了とします。そして、18時から19時までの1時間については、働いたものとみなして就労義務を免除します。(翌日の労働時間は7時間で把握)
 この1時間分の賃金について、ノーワーク・ノーペイの原則により支払わないのか、その例外として支払うのかは、各企業が制度の導入内容を検討する中で決定していくことになります。

翌日の勤務開始時刻を繰り下げる方法
 この事例では、翌日の10時始業で所定労働時間をそのまま働いて勤務終了時刻(終業時刻)は19時となります。
    

【適用除外の規定】

 企業活動を継続していく中で、勤務間インターバルを厳格に適用すると、かえって企業活動に支障が生じてしまうケースがあります。
 事前に想定されるケースで次のようなものを、「インターバル(休息時間)を確保できない」として適用除外にする旨を就業規則等であらかじめ定めておくことは可能とされています。

 〇 重大なクレーム(品質問題・納入不良等)に対する業務
 〇 突発的な設備のトラブルに対応する業務
 〇 予算、決算、資金調達等の業務
 〇 海外事案の現地時間に対応するための電話会議、テレビ会議
 〇 労働基準法第33条の規定に基づき、災害その他避けることのできない事由によって臨時の必要がある
   場合
   

【現在の導入状況】

 最後に、この制度の現在の導入状況ですが、新しい制度でもあり、導入済は5%(4.6%)に止まっています。
 その一方で、「導入予定はなく、検討もしていない」理由について、「制度を知らなかったため」としたのは2割(19.2%)で4年前に比べて半減しており、制度の認知度は確実に上がってきているといえます。