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2月からの業務改善助成金(通常コース)について

 厚生労働省の業務改善助成金(通常コース)は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げと、生産性向上のための設備投資やコンサルティングなどを行った事業主に、その設備投資等の経費を助成するものです。
 当初は今年1月末が今年度の申請期限でしたが、3月末まで延長されています。
 また、申請期限延長のリーフレットに、新年度予算成立を前提として、令和4年度においても、「令和4年2月1日からのコース」を、引き続き実施する予定とのコメントがありました。
 これから3月末まででの取組はさすがに難しいですが、次年度を視野に入れてということで、現在の内容を見ていきます。

 この助成金では、最低賃金引上げ額別のコース区分と、賃金を引き上げた人数の組み合わせで支給される上限額が決まりますが、このうち最低賃金引上げ額別のコース区分については、現在、30円、45円、60円、90円の4コースとなっています。

 例えば、30円コースの場合であれば、引上げ人数2~3人は上限額50万円、4~6人で70万円、7人以上で100万円です。

 また、①事業場内最低賃金900円未満、②売上高などの指標の直近3ヶ月平均値が前年又は前々年の同じ月に比べて30%以上減少のいずれかを満たす「特例事業者」については、昨年8月に特例で設けられたより上限額の高い「賃金引上げ人数10人以上」の区分での申請も可能です。

 助成対象となる経費は、機械装置などの購入据付費、専門家謝金や旅費、人材育成・教育訓練費、経営コンサルティング経費などで、生産性向上のためのものです。
 機器などの導入事例を見ると、業務用冷凍庫や冷蔵庫、スチームコンベクションオーブン、食器洗浄機、シュリンク包装機、フォークリフト、POSレジシステムや顧客管理システムといったものがあります。
 コロナ禍のもとでニーズの高い宅配用バイクや自転車、非接触型自動検温器、Web会議システムなども対象となります。
 そして、前記②の売上高等30%減の要件を満たす特例事業者については、機械装置購入費の機器・設備類の範囲が昨年8月に拡大され、
 〇 乗車定員11人以上の自動車、貨物自動車の購入、製作又は改良の費用
 〇 パソコンの新規購入の費用(タブレット端末やスマートフォン及びその周辺機器を含む)
も対象となります。

 昨年10月に、専門家謝金の上限が5回、人材育成・教育訓練費の上限が50万円に緩和されていますが、その活用事例として、飲食店での多機能レジスターの導入とIT研修、建設業での経営コンサルタントによる社員教育と社内研修、理美容業での団体が実施する教育研修の受講などが挙げられています。

 助成金の支給額は、助成対象経費に助成率を乗じて算出した額で、上限額を超える場合は上限額となります。
 助成率は、引上げ前の事業場内最低賃金(時給換算)で決まり、900円未満では4/5、900円以上は3/4です。
 仮に平成4年度の地域別最低賃金が今年度と同じ3%程度上昇すると、今年10月以降に900円未満の助成率4/5が適用できなくなる道県(地域別最低賃金900円以上)が複数出てくることが予想されます。

 Q&Aを見ると、外注業務の内製化のための設備投資や、老朽化や破損した機器設備等を同等性能のものではなく、既存のものより高能力のものに置き換える場合なども助成対象になり得ますので、計画的な賃上げが視野に入っているのであれば、活用できるところが多い助成金です。