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令和3年度下請取引等実態調査について

 国土交通省と中小企業庁によるこの調査は、建設工事における元請負人と下請負人の間の下請取引などの実態を把握するもので、その結果、建設業法令違反行為等がある建設業者に対して指導票を送付して、是正措置を講ずるよう指導が行われています。
 令和3年度の調査では、令和2年10月~令和3年6月の取引を対象に1万4千社余りの建設業者から有効回答を得ています。

 以下で、その調査結果の概要を見ていきます。
 文中の「元請負人」は発注者から工事を直接請け負った建設業者のことです。
 下請契約(本下契約)は、 元請負人が注文者となって、発注者から請け負った工事の全部または一部について、「下請負人」である建設業者(一次下請)と締結する請負契約です。
 そして、下請負人(一次下請)が注文者となり、その下請負人である建設業者(二次請負)と同様に下請契約(下下契約)を結び、さらに、三次下請以降に続くこともあります。
   

【建設業法の遵守状況】

 建設工事を下請負人に発注したことのある建設業者のうち、建設業法に基づく指導を行う必要がないと認められる業者は、ほほ1割(10.8%)で昨年度と同水準。
 その中で、
〇 建設業法での契約書上の明示事項(15項目)をすべて定めている建設業者は、ほぼ半数(47.6%)

〇 工事請負契約について、工事ごとに請負契約書を交付するなど適正な方法で処理していた建設業者は、
  3社に2社(63.4%)
〇 下請負人に見積りを依頼する際に、提示するべき項目(14項目)をすべて定めている建設業者は2割
  (21.2%)
   

【元請負人による下請負人へのしわ寄せの状況】

 下請負人として建設工事を受注したことのある建設業者のうち、元請負人から「不当なしわ寄せを受けたことがある」のは、1.2%
   

【発注者(施主)による元請負人へのしわ寄せの状況】

 元請負人として建設工事を発注者(施主)から直接受注したことのある建設業者のうち、発注者(施主)から「不当なしわ寄せを受けたことがある」のは、1%未満(0.6%)
    

【労務費の内訳を明示した見積書の活用状況】

 元請負人が下請負人に対し、法定福利費の内訳を明示するための標準見積書の交付を「全ての下請契約で働きかけている」又は「一部の下請契約で働きかけている」との回答は合わせて7割(69.5%)
 標準見積書は、平成20年代に建設業界の社会保険未加入対策が進められた際に、一般的なトン単価や平米単価による見積では、社会保険等に加入するための原資となる法定福利費の扱いが見えにくくなるという問題に対応するため、見積時に法定福利費の内訳を明示するためのツールとして専門工事業団体ごとに作成されたものです。
    

【約束手形について】

 手形期間を「既に60日以内としている」は27.1%、「今後60日以内とする予定」は46.7%。
 「60日以内とする予定がない」(26.2%)の回答理由は、「特に理由はないが、現在の手形期間が慣例となっているため」(47.7%)、「借入金の増加等、資金繰りに影響があるため」(29.3%)の順でした。


(手形期間については、「下請代金の支払手段について」(令和3年3月31 日20210322 中庁第2号・公取企第25 号)の要請に基づき、60日以内とすることとされています。)

 関連して、電子記録債権を「既に導入済み」は30.8%、「導入予定」は26.3%。
 「導入する予定がない」(26.2%)の回答理由は、「取引先が利用していないため」(55.1%)、「メリットを感じないため」(33.0%)の順でした。
    

【技能労働者の賃金水準の引き上げ状況】

 「引き上げた(予定含む)」が82.8%、その一方で、引き上げない理由は、「経営の先行きが不透明で引き上げに踏み切れない」(41.5%)、「受注者の立場では発注者(施主)や元請負人に賃金引き上げの費用を求めづらい」(24.1%)の順でした。
    

【週休2日制の普及状況】

 完全2日制(4週8休)を導入しているのは33.6%で、4週6休(37.9%)とほぼ同水準でした。