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働き方改革10年の折り返しの年に

 新しい年が明けましたが、この年は働き方改革実行計画10年間(2017~2026年度)の折り返し点にもなります。
 再来年(2024年)に時間外・休日労働の上限規制が遅れて適用される建設、運輸、医療業界以外の中小企業では、パワーハラスメント対策の法制化、改正育児・介護休業法がある今年が一つの節目になるのではないでしょうか。

 パワハラ対策も男性育休も、ひと昔前であれば他社より一歩進んだ取り組みだったものが、当たり前のことになりつつあります。
 これらのいずれも、事案発生の有無にかかわらず体制の整備や必要な周知を行わなければならないものであり、相談窓口ひとつ取ってみても、設置後も担当者のスキル維持や、定期的な周知などランニングコスト的な手間がかかります。

 働き方改革に対応するため、ここ数年で企業の労務管理の負担は確実に大きくなっています。
 働き方改革関連でインパクトが大きい新制度・法規制がほぼ出揃う今年は、企業の労務管理のやり方の見直し、具体的には、アプリやシステムに置き換えられるものや、外部にアウトソーシングできるものはないかといった検討をするいいタイミングではないかと考えられます。

 働き方改革の後半5年に向けて注目しておきたいのは、昨年の骨太の方針での「フェーズⅡの働き方改革」のキーワードである、ジョブ型雇用、裁量労働制、選択的週休3日制、兼業・副業、フリーランスに関する国の動き、そして地域経済界や同業他社の動きです。
 また、ジョブ型雇用に関連して「多様な正社員」、フリーランスに関連して「雇用類似の働き方」も頭の片隅に置いておくと良いキーワードです。

 現在、月60時間以上の時間外勤務の実績がある企業については、来年4月の「月60時間超の時間外労働の割増賃金率50%以上」適用への対策を今から進めておくことをおすすめします。
 生産やサービス提供での人的体制を長時間勤務で補う経営手法がコスト面からも難しくなりますし、このような法規制が入ることで、月60時間超の時間外勤務に対する社員の捉え方が変わってくるであろうことも視野に入れた方が良いでしょう。

 最後になりますが、建設業、自動車運転の業務、医師への時間外・休日労働の上限規制適用までは、あと2年余りありますがそろそろ検討やシミュレーションを始めても良い時期です。
 これまでも「自動車運転者の労働時間等の改善基準」があり、行政の指導監督も続けられてきた自動車運転の業務に比べると、建設業や医師の分野では、法規制対応を進めていく中での試行錯誤が多くなるのではと思います。