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労災保険の特別加入とフリーランス

 労災保険では、法人や個人事業主に雇用される方(労働基準法上の労働者)の業務上の傷病等、通勤途上で被った傷病等について給付を行うのが原則です。
 その一方で、労働基準法上の労働者でなくとも、業務実態、災害発生状況などから労働者に準じて労災保険により保護するにふさわしい者に対して、特に労災保険の加入を認める「特別加入制度」があります。

 特別加入制度の対象者は、大きく4つのカテゴリーに分かれます。
① 中小企業主等(役員等を含む)
② 一人親方その他の自営業者等
  (家族従事者を含むが、対象となる事業は運送業、建設業、林業などごく限られている)
③ 特定作業従事者
  (一定の危険有害な農作業や家内労働の従事者、労働組合の常勤役員など)
④ 海外派遣者

 特別加入制度自体、1965(昭和40)年の創設以来、数次にわたり対象者の範囲を拡大してきましたが、近年、労働者以外の働き方での副業者が一定数存在していること、IT関連など昭和の制度創設時にはなかった業種が出てきていることなどもあり、フリーランスへの適用拡大の検討が進められてきました。

 その結果、今年4月と9月の2回に分けてフリーランスへの適用拡大が行われています。
 対象となったのは、次の6業種で、いずれも一人親方その他の自営業者等のカテゴリーに入っています。
① 芸能関係作業従事者
② アニメーション制作作業従事者
③ 柔道整復師
④ 創業支援等措置に基づき事業を行う方
  (70歳までの就業機会確保の努力義務関連)
⑤ 自転車配達員
⑥ ITフリーランス

 今年8月~9月に、労災保険特別加入制度に係る提案・意見の募集が行われ、追加すべき業種として17業種の提案がありました。このうち、「イラストレーター、漫画家、アート従事者」、「トラック運転手(2トン、4トンダンプカー、ミキサー等)」では、10件以上の提案が集まっています。

 ちなみに、その上位2業種の意見で労働災害の状況として挙げられていたのは、前者では「アトリエへの移動時の事故」、「作品制作中における腱鞘炎」、後者では、「運転席や荷台からの転落」でした。