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【事業再構築補助金メモ】~市場規模の推計は避けて通れない~

 事業計画を作っていくには、定量・定性両面からのアプローチが必要です。
 このうち定量での把握で重要なものの一つが、製造する製品や、提供する商品・サービスに対する需要が商圏内にどの程度の規模で存在するのかということです。

 私も2月からこの補助金の相談を受けてきていますが、採算ラインの販売数量の見込みに加えて、商圏内(投入する市場)の需要のおおよその規模まで把握している方は少数派です。
 もっとも、皆様それぞれの再構築の事業計画にぴったりの数字を拾えるケースは少ないでしょうから、そうなるのも無理はないことです。

 ただ、数字とロジックで組み上げていく事業計画で、商圏内(市場)の需要が分からないのは、その計画の説得力を大きく削ぐことになります。
 つまり、こういう特色があり、このレベルの性能でユーザーにこのような便益を提供できる製品を、この地域を市場として投入する場合、潜在的な需要はこれだけあり、この手段と、あの手段でアプローチすることで、そのうちの〇〇%のシェアを獲得でき、売上はこれだけ、利益と付加価値はこれだけという一連の流れで説明できないと、社外の人を納得させるのは難しいということです。

 数字がなければ、推計して作るだけです。
 推計した場合、その推計値の精度の問題は避けて通れませんが、実際に事業を始めてから分かることがありますから、それらを織り込んで数字の精度を上げていけば良いのです。
 精度を気にして需要の推計をしないで進むほうがより高リスクな行動です。

 事業プランを伺っていると、「これはこの地域では初めて」「やっている会社は見たことがない」といったフレーズが出てくることが結構あります。
 少々意地が悪いですが、そのような時の私のスタンスは、「大なり小なり競合はいるか、近いうちに出てくるだろう」です。
 その事業プランに着目する引き金となった情報やデータは、多くの人がアクセスできるものであるのがほとんどなので、他に目を付けている人はいるということです。ですから、市場の需要を推計して、そのうちどれだけ取っていくかと進めていく方が無理がなく、実現可能性が高い計画になります。市場の半分を握るということはそう簡単には起こりません。
 また、怖いのが、あまりにもニッチすぎて事業化して5年、10年と続けて行けるだけの市場規模がなかったという見込み違いです。これも何とか避けたいところです。

 この市場規模の推計をサポートするのも、計画の策定に関与する認定経営革新等支援機関の重要な仕事と私は考えています。

 話は変わりますが、コロナ融資が一段落して、金融機関の融資への姿勢が厳しくなっていく中で、会社の10年後のために必要な事業展開や設備投資が出てきて融資を受けなければならなくなった時にも、この推計スキルは役に立つものと考えます。