サムライブログSAMURAI BLOG

時間単位年休について

 1日、そして半日よりもさらに短い1時間単位での年休取得を認めるこの制度は、2010(平成22)年4月の労働基準法改正で法制化されてから10年あまりの比較的新しいものです。

 時間単位年休は、全事業所適用の1日単位の年休とは異なり、導入しようとする事業所(使用者)が、基本的な事項を労使協定で定めた上で導入する形を取ります。

 労使協定で定める事項のうち、1年間に取得できる日数については、5日以内で定めます。週4日勤務者などで、年次有給休暇の日数が週所定の労働日数で比例配分されている場合は、それと同じ方法で年間に取得できる日数を定めることとなります。
 なお、導入2年目以降で前年度からの繰り越し時間数がある者が出た場合でも、当年度分と合わせて5日までの範囲で労使協定により定めた日数とする考え方です。

 時間単位年休の法制化が検討された2000年代は1990年代に比べて有休取得率は10%ほど下がって40%台、取得日数も1日以上減少した状態であり、取得率と取得日数の向上策が必要とされていました。
 その一方で、年次有給休暇の本来の目的である、労働者の心身の疲労回復などのためのまとまった日数の休暇の取得との兼ね合いもあり、原則となる日単位での年休取得の例外という位置づけで、年5日の上限が設けられました。

 1日の時間単位年休の時間数は、その事業所の1日の所定労働時間となりますが、1時間未満の時間がある場合、例えば、7時間30分といったときには、30分を1時間に切り上げて8時間で設定します。
 また、1時間単位での取得に限らず、労使協定に定めたうえで、2時間、3時間といった会社独自の運用が行われることも想定されています。

 労使協定で次のような制限を設けることは、認められません。
 〇 時間単位年休を取得できない時間帯を設けること
 〇 所定労働時間の途中での時間単位年休の取得を制限すること
 〇 1日に取得できる時間単位年休の時間数を制限すること など
 また、対象となる労働者の範囲を、育児などの利用目的により定めることもできないとされています。

 あくまでも例外として認められた取得方法であり、労働者が時間単位による取得を請求した場合のみのものです。
 そのため、年5日の年休取得義務への対応として事業主が計画的に付与することはできません。

 労働者が時間単位年休の取得を希望する日時について、事業主が変更する場合の考え方は、1日単位の年休と同様ですが、労働者の時間単位の請求を日単位に変更することや逆に日単位の請求を時間単位に変更することは認められません。

 時間単位年休の取得時の賃金については、1日単位の年休取得時の賃金額を、労使協定で定めた1日の時間単位年休の時間数で除して算出した額となります。実務上は、勤務したものとみなす取り扱いが多いものと考えられますが、年休取得の都度、賃金額を計算している場合は、そのベースとなる額(平均賃金、通常の賃金、標準報酬日額のいずれか)は、日単位年休と同じものとします。

 時間単位年休は、事業主にとっては、休暇の管理が煩雑になるデメリットがありますが、従業員にとっては、小学校入学以降の子供の世話、病院への定期的な通院など活用できる場面が結構あるものです。